このゼミでは、民法の財産法分野を中心に扱います。
後期に他大学のゼミとの間で「難易度高めな事例問題」を素材に法律討論会を行います(法律討論会については後述)。前期は、法律討論会に向けた準備や当日の討論をスムーズに行うことができるようになることを目指して、「少し優しめな事例問題」を素材に、参考文献や関連判例の調べ方・文献や判例の読み方・事例の分析方法・法的な論点の論じ方・議論の仕方などをグループ学習を通じて学んでいきます。
前期は、概ね5回を1クールとして、3問の事例問題に対する解答作成と各グループが作成した答案の相互レビューを行います。1クールのイメージは以下のとおりです。
Aは2022年4月1日に80歳で死亡した。Aの妻Bは既に他界しており、Aの子YがAの唯一の相続人であった(YによるAの相続を以下「本件相続」という)。 Aは2022年2月初旬に、自身が所有する甲土地をXに贈与する旨の意思表示を口頭でXに対して表示し、2022年2月15日XはAに対してこれを承諾する旨の意思表示を口頭で行った(以下これを「本件贈与契約」という)。 当時、甲土地の所有権登記名義はAの前主Cのままであったことから、2022年2月17日Aは司法書士Dに依頼して、「甲土地をAからYに贈与したので、直接CからXへの所有権移転登記をしてほしい」との書面を作成してもらい、2022年2月20日にこれを内容証明郵便で発信した。この内容証明郵便は2022年2月22日、Cの元に到達した。 本件相続の後に、本件贈与契約の存在を知ったYは、Xに対して本件贈与契約を解除する旨の意思表示を書面によって行った。この書面は、2022年4月15日にXの元に到達した。 他方でYは、必要な書類等を整えて、甲土地について、CからAへの売買を原因とする所有権登記手続及びAからYへの相続を原因とする所有権移転登記手続を終えた。また、甲土地は鎖で囲われた上で鎖が施錠されており、その鍵はYが所持している。 Xとしては、甲土地の引き渡し及びAから Xへの所有権移転登記手続をYに対して求めたいと考えている。このXからYへの請求が認められるか論じなさい。